2020年 4月4日 改定
今回紹介するウイスキーはシープディップです
シープディップとは羊の皮膚につく害虫を駆除するための洗羊液のことです。イギリスの農家には欠くことのできない常備薬の一つで、かつての農家ではどこでも大量に保有していたものなのです。
ではなぜそのような名前がこのウイスキーに付けられたのでしょうか?
<シープディップと名付けられたエピソード>
18世紀~19世紀をピークに、ウイスキーの蒸留技術が民間にも流布されるようになりました。すると、農家の人たちは有り余った大麦を使って自家製ウイスキーを造るようになったのです。
当時のイギリスでは自家消費用のウイスキーは無税だったのですが、密造酒が横行したことから、農家の自家製ウイスキーにも高い税金がかけられるようになるのです。
そこで、農家さんが考えたことは、税吏から逃れるために、ウイスキーの入った樽にシープディップとペイントしたのです。こうして農家の造る密造酒の隠語がシープディップとなったのでした。
そうした伝説を復活させたのがこのシープディップというわけです。
<シープディップというウイスキーについて>
シープディップが商標登録されたのは1974年のことで、M J ダウデスという人物でした。彼はパブを経営していて、そのパブ周辺でのみしか飲まれないローカルなウイスキーだったのですが、やがてイングランドを中心に人気がでるのです。
<シープディップの面白いエピソード>
シープディップのラベルを見てみるとオールドベリーのパブで生まれたことが表記されています。
実は面白いことに、一時期パブ周辺の農家ではシープディップ名目でウイスキーを購入して、それを本物の洗羊液として必要経費で申告することが流行りました。
まぁ、すぐに当局の見破るところとなるのですが、これもシープディップにまつわる面白い話の一つですね。
この税吏から逃れるための知恵?が用いられたこのお酒を見かけたら味わってみてください。
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