日本酒と言っても、本醸造だの純米だの色々あって分かりづらいですよね?
このブログでも頻繁に出てきている言葉なので、今日はその点を少し解説してみます。
現在の日本酒の製造割合は大まかに分けると
グラフのようになっています。
<おおまかな日本酒の種類>
三増酒:原酒が3分の1で残りは水とアルコール、水あめや化学調味料を添加して造られたもの
普通酒:原酒を水とアルコールで半分薄めたもの
本醸造酒:純米酒にアルコールを加えたもの
純米酒:米と米麹と水のみで造られた昔ながらの造り方。
つまり純米酒以外のお酒にはアルコールや水あめなどの添加がされているという事です。
ちなみに添加物があるかどうかで分けると次のグラフのようになります。
なんと添加物がない日本酒(要は純米酒)は全体でたったの20%しかないのですね。
そもそも第二次世界大戦がはじまる前には純米酒しかありませんでした。
では、なぜアルコールや水などを加えた造りができたのでしょうか?
戦時中には米が不足し、米を節約するという意味でアルコールの添加などが行われました。また少ない米で量を飲ませて酒税で税収をあげる。そして戦争用の鉄砲のたまなどを買うという目論見もあり三造酒が造られるようになったのです。こうして、原価を安く上げ、造りの手間暇がかからない方法が主流となったのでした。
でもよく考えればそうですよね、材料費が安くあがって、作るのも楽で儲けを出せるなら、その方法を選ぶのは至極当然なことです。
こうして、純米酒は仕込み日数や、コストのかかる効率の悪い酒としてだんだん造られなくなっていき、ついには造られなくなってしまうのです。
そして戦後の日本酒のほとんどは三造酒となってしまいます。
日本酒を飲むと頭が痛くなる。悪酔いする。臭いという悪評はアルコールを多く添加しているものがほとんどです。よく良い酒は次の日に残らないというのはこれの事だったのですね。
でも、最近はそれでいいのかという考えができて、神亀酒造さんを始め、純米酒を造ろうという酒造さんが徐々に増えてきたのでした。
ここまで書いておいてなんですが、アルコールの添加も悪いことだらけではありません。お酒の軽やかさやキレの良さを出すためにあえてアルコールを添加する酒造さんも多いのです。
実は江戸時代には秘伝として焼酎を10%ほど加えることで味がしっかりて保存も良くなるとされていたという話もあります。
添加のバランスをうまく整えて、美味しい清酒を造る酒造さんも沢山あるのでそこは誤解しないでください。
趣味嗜好は人それぞれです。
「高価だからといって絶対に美味しい」、「時間がかかっていれば絶対に美味しい」というわけでもありません。
言葉に惑わされず、自分の美味しいものを探してみてくださいね。
まぁ、一先ずこの記事では純米酒は作るのが大変なんだな~ぐらいに覚えていてくれた大丈夫です。
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