今回も日本酒の解説を行いたいと思います。
当ブログでも日本酒のエピソードを紹介していて何度か、生酛造りだとか山廃仕込みといった言葉が出てきました。これって何だろうと思った方も多いと思うので解説していきます。
その前に日本酒ができるまでの簡単な工程です。
精米→洗米→浸漬→蒸し→麹づくり→酛づくり→醪づくり→上槽→貯蔵
となっています。
生酛造りや山廃仕込みはこの工程の酛造りのやり方のことなのです。
多くの日本酒では酛づくりは速醸酛という人口の乳酸菌を加える方法が主流です。この方法は乳酸菌人口の乳酸菌を使うので、育つまでの時間を短縮できるといったメリットがあります。
一方生酛造りや山廃仕込みは、人口の乳酸菌を使うのではなく天然の乳酸菌を取り込んで育てるというやり方です。
生酛づくりとは
半切り桶(桶を半分に切ったようなもの)という桶に麹米と蒸米と少しの水を足して櫂という道具ですりつぶす酛摺り(山卸とも呼ばれる)といった作業を行います。この酛摺りという作業を行うことで米が溶けやすくなるのでデンプンが糖に変わるのが早くなるため、発行の時間が短くなるのです。
この発酵の過程で空気中の天然の乳酸菌が入り込み育ちます。ただ、天然の乳酸菌が入り込み育つまでには時間がかかりますが、天然の乳酸は強いので味に個性が出るのです。そうしてできたものに、日本醸造協会で購入した酵母(日本醸造協会が日本各地の酒蔵から分離して培養したもの)を加えるやりかたです。ですが、この酵母も購入しないで蔵付きの天然ものを使うやり方もあってそのやり方は完全生酛と言います。
山廃仕込みとは
生酛づくりで説明した酛摺り(山卸のこと)を行わないで、作るのが、山卸廃止酛、略して山廃仕込みです。このやり方は山卸をしないので中々デンプンが糖に変わらず発酵の時間が生酛づくりよりもかかります。こちらのやり方も発酵の過程で乳酸菌を取り込んで育てたものに協会の酵母を使って作るのが主流です。蔵付きの酵母を使ったもっと時間がかかるものを完全山廃仕込みというのです。
まとめ
酛造りのやり方のことで、生酛も山廃仕込みも、速醸酛よりも時間と手間暇がかかるが、天然の乳酸菌でつくっているため味に個性が出る。これらのやり方で作った酒は熟成に向き燗にも向く。
ただし、速醸酛でも素晴らしいお酒は沢山あるのでその点は誤解しないでくださいね。
ちなみに下の記事で酛造りの説明も行っているので合わせて読んでみてください。
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