今回紹介するのは無手無冠です
無手無冠は「むてむか」と読みます。冠におぼれず、飾らず、素朴な心を大切に、ひたすら自然を生かした地の酒造りに由来しています。
<蔵のある意味を考え、行動したエピソード>
ここの蔵で面白いのが酒造り体験教室というものがあることです。これ一般の人が米作りと酒造りに参加して(委託もできます)ラベルに自分だけの名前を入れるなど、自分のお酒として瓶詰めをすることができるのです。興味がある方は下の参考サイトにホームページがあるので見てみてください。
無手無冠の山本彰宏氏が言うには「本当はこんな田舎に酒造はいらない。人口は少ないし、消費地は遠いし。だから、ここにある以上、地元の役に立たなければ意味がない。それには泥臭くてもいいから、地元の米を使って、地元の人間が造らなければいけないが、それでは級別審査に通らない。ではうちは審査なんか無視して、日本一泥臭い、土の匂いのする酒を造ってやろう、と思ったわけです」(日本酔い酒・飲れる酒から引用)
中々簡単には実行できる考えではないですよね。この考えがもとになって米へのこだわりが強くなんと、酒造適応米を使わず、地元の飯米を使っているというのだから、すごいです。
※なぜ級別審査に通らないのか?
級別審査は色があったり、香りや味に欠点があると減点する減点法が採用されていたことにより、素晴らしく美味い酒でも、特徴的な香りや味のある酒は総てクセがあるとして不合格になるというシステムだったのです。この欠点を見つけ出す減点法による審査の結果、地域や蔵ごとの個性はなくなり、全国どこへ行っても同じ香り、味の酒になってしまったというわけですね。たびたび当ブログでも「全国どこでも均一な酒で~」といった話が出てきましたが、こういう事だったのです。ちなみに現在は廃止されています。
<過疎化を逆手にとったエピソード>
面白いことに、地元にこだわったお酒の消費者は半分以上が県外です。なぜかという独特の販路の広げ方にあります。昭和58年に大正町が過疎化していることに目をつけて、県外への転出者3500人にダイレクトメールを送りました。その内容は「盆暮れに帰りたくても帰れない皆さん、せめて田舎の酒を飲みませんか」でした。お酒を飲んだ人から友人や親せきに広まり、全国に固定ファンがいるほどの大当たりとなったのでした。
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無手無冠のホームページによると冷や、またはぬる燗がおすすめです。
お試しにはこちらの300mlが安くてちょうどいいですよ。
参考サイト
https://jp.sake-times.com/knowledge/culture/sake_g_lost-100years_15
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