今回紹介するのは新正酒造のColorsシリーズの一つ秋櫻 -Cosmos -です
新正酒造さんは創業が1852年で、きょうかい六号酵母の発祥の蔵として有名です。
<新正酒造の歴史>
後に五代目卯兵衛となる佐藤卯三郎は、醸造を学ぶことにおいては最高峰であった「大阪高等工業学校」(現・大阪大学工学部)に進学します。五代目卯兵衛は、あのニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝氏と同窓生で、同校には「西の竹鶴、東の卯兵衛」という学業成績の優秀さを讃える言葉があったのだそうです。
五代目卯兵衛は帰郷し、より良い酒造りのために酒質向上を目指して研究を続けます。そして、ついに六号酵母(きょうかい6号=新政酵母)を自らの酒に現出させることに成功するのです。
この六号酵母は昭和10年に販売されると、酒造業界を席巻し、それ以前のきょうかい酵母は注文が途絶えてしまい、ほどなく1~5号酵母の頒布は中止なるほどすごい酵母でした。きょうかい酵母についてはまたどこかで解説できたらと思います。
※「きょうかい酵母」とは国税庁の麾下の研究機関「国立醸造試験場」が主に採取・認定した酵母のことで、販売については日本醸造協会が行っています。
<現在の新正酒造のエピソード>
佐藤祐輔氏が帰郷して八代目を継いでから、高級路線に転換します。また社員の平均年齢30代前半にして社員醸造に移行、トレーサビリティの徹底と原料米を秋田県産米のみ、生酛純米蔵にするなどの大改革を行います。今までの造りを一新したのですから、元々の新正酒造さんを知っている人には、佐藤祐輔氏は何をやっているんだと思われたのではないでしょうか?初めの頃は地元での反応は芳しくなかったのです。ですが、徐々に東京などに販路が広がり成功していきます。
<生酛へのこだわり>
佐藤祐輔氏は日本酒の基礎知識(木村克己)で、生酛についてこう語っています。
・生酛のほうが水の使用量がすくない。
・ものというのは、水が少ないほど腐りにくい
・腐りにくいということは雑菌にも侵されにくいのできれいな酒ができる。
・手間暇さえ惜しまなければ、酒質は安定する
また、日本酒が世界で勝負するなら生酛が良いと思ったと語っているのですが、輸出するには時間がかかるので、生酛は腐りにくいということが関係しているのかもしれないなと感じました。
<木桶仕込みについての面白い話>
佐藤祐輔氏は木桶仕込みについても、日本酒の基礎知識(木村克己)で面白いことは語っています。
・木桶仕込みは木の成分がお酒に少し入り、酵母に影響を与えて他の酒とは違う発酵になる。
・杉の匂いはほとんどしないで、含んだ時に不思議な厚みがでる
・木の成分かわからないが劣化しにくい。
木桶仕込みのお酒はかなり少なくなってきているのですが、この話を聞くと桶を作るための木の種類を変えたりすると面白くなりそうですね(そういった事ができるのかわかりませんが・・・)それこそ、イチローズモルトの話のように、ミズナラの木桶とか面白そうです。
この日本酒の可能性を感じる木桶については私自身がまだ勉強不足なので、もっと勉強してみたいなと感じました。
なんかワインを彷彿させるボトルですね。この木桶仕込みによって醸される貴重なお酒を味わってみてください。
参考サイト
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