今回紹介するウイスキーはディンプルです。
このお酒を製造しているのはジョンヘイグ社なのですが、このヘイグ家はスコットランドの歴史にかなり関わっていたのでした。
<ヘイグ家についてのエピソード>
ヘイグ家の始まり
ヘイグ家の始まりである開祖のペイトリュース・デル・ハガはイングランド王国の開祖であるノルマン公ギョーム(在位1066~1087年)とともにフランスから渡ってきた貴族の一人でした。
ペイトリュース・デル・ハガはその武勲から、報酬として領地が与えられ、900年にわたって多くの分家を輩出し、対イングランド戦争など様々な戦いにもヘイグ家の勇者たちが参戦。イングランドに併合された後も、軍人や勇者を輩出しスコットランド史に関わってきたのです。
ウイスキー造りを始めた理由
そんなヘイグ家(14世紀からハガからヘイグに改めた)の分家だったロバート・ヘイグは1627年にウイスキーの蒸留を始めます。きっかけは、自分の農地の大麦を手っ取り早く換金する方法は何かと考えたことで、思いついた方法がウイスキー造りだったのです。しかしウイスキー造りにのめり込んでしまったロバートは、なんとオランダまで行って当時の最新の蒸留技術を学びに行っているというのだから、すごい行動力ですね。
安息日に蒸留をしたことで、教会ともめごとを起こした記録も残っています(笑)
受け継がれる情熱
ロバートの情熱は子孫にまで受け継がれ、ローランド地方を中心に一族が経営を担うのですが、密造業者もどんどん増えてきた時代でした。ハイランドの密造者と激しくしのぎを削りあったこともあります
ジョン・ヘイグの功績
ヘイグ家の名声を不動のものとしたのはジョン・ヘイグという人物でした。この人物はヘイグ帝国の礎となったキャメロンブリッジ蒸留所を建設したり、娘の従兄弟が今では当たり前に使われている連続式蒸留器を考案したロバートスタインでキャメロンブリッジ蒸留所で初めて連続式蒸留器が使われるようになったのです。
グレーンウイスキーの誕生とともにブレンド事業をが注目を浴び始めますが、ここでもヘイグ家はいち早くブレンド事業に乗り出し1880年代にはヘイグのブレンドスコッチを生み出しています。そして特に人気が出たのが今回の面白い形をしたボトルのデラックスブレンドであるディンプルだったわけです。
<ディンプルの特徴>
1.15年熟成
15年熟成は他ではあまり見られない熟成年数です。
現在は12年が主流にはなっていますが
2.デラックスブレンドでローランドモルトを中核にしているのはディンプルのみ!
ちなみに中核に使われているローランドモルトはグレンキンチーです。軽く飲みやすくスパイシーなのはグレンキンチーによるところが大きいのでしょう。
3.名前のもととなった独特のボトルのへこみ
これはジョンの5男であるジョージ・オグ・ルヴィ・ヘイグが考えだしました。
当初はディンプルスコッツという名前でしたが、あまりにもディンプルが特徴的であったため、スコッツが抜け落ちてディンプルという名前になったのでした。
ちなみにアメリカではこの凹みのことをピンチと呼んだため、ピンチという名前で当初は売っていたそうです。
4.ボトルを覆う金属ネット
ディンプルのボトルは全体を金属ネットで覆っていました。これは輸送中にコルクが抜けないようにするための工夫だったのですが、これがかなり目を引くデザインだったので、ディンプルの名声をあげることになったのでした。
高級そうなウイスキーですがお値段は2119円とお買い求めやすい値段となっているので気になったら試してみてください。
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