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お酒のエピソードは面白い!ウイスキーや日本酒などこてっちゃんが気に入ったお酒の話を交えながら紹介していくブログです

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【日本酒】お酒のために考え続けた結果!磯自慢【静岡・磯自慢酒造株式会社】

今回紹介する日本酒は磯自慢です。

 

 

<磯自慢について>

この蔵は小さな蔵にも関わらず、桶売りもせず、大吟醸のお酒も昭和31年から造り続けてきた地元の愛飲者に向けて頑固に造り続けてきた蔵なのです。

 

<磯自慢酒造の7代目とは>

現代表者である、寺岡洋司さんの父で、元々銀行員であったが焼津信用銀行の創業者である幸右衛門さんに見込まれたことから、寺岡家に婿養子で入った人物です。

 

<7代目のやった偉業>

・大吟醸を造り続けた

昭和31年というと一般的に大吟醸は飲まれていなかった時代です。そのことからも販売する予定もなかったそうですが、技術の粋ともいうべき大吟醸酒をタンク一本分でも造ることで蔵人たちの誇りや情熱を保つ意味で造り続けたのだとか。

 

・糖類添加を一切廃止

甘いお酒が全盛だった昭和60年に、戦後からの常識である、少ない米で酒を造るために水あめなどの糖類や酸味料で味を調えることを全商品でやめました。これは、糖類などを加えての味の調整は一般的な方法だったので、それを廃止することは革命的な決断だったのです。

 

・リベート販売廃止

そもそもリベート販売とはある程度の量を購入してもらうと、おまけをつけるという手法なのですが、どんどんおまけの量が増えるように要求されることが増え、味は別にしてとにかく値引きや、おまけの量を増やす方向にどんどんエスカレートしていったのです。

 

<自分の信念を貫き通すことの大切さ>

これらをやめたことによって当然、お酒造りにコストがかかり値段も高くなります。お得意先からも中傷されて、八件の取引先からも断られてしまうのです。
しかし、酒に魅力があればお客さんは喜んでくれる。という信念のもと、自分のやりかた方を貫き通したのです。
すると、磯自慢は徐々に人気が高まり、一度は取引を断った八件のお店も、もう一度取引をさせてほしいと願い出るまでになるのでした。

 

 

 <マグロの水揚げ日本一からヒントを得た設備>

昭和61年にステンレスの張りの蔵を新築、平成3年からは壁から天井までそうステンレス張りで大地震にも耐えられるような構造に建て替えます。
なぜステンレス張りにしたのかというと、清潔さを保ちやすいこと、そして密閉度が高い素材なことから、低温発酵をするのに最適だからなのです。
温暖な静岡では酒造りが不利とされていた時代だったことから、マイナス65度で保存する冷凍冷蔵庫を見て、蔵全体を冷蔵庫のようにしてしまおうと思い付いたのでした。


蔵付き酵母はお役御免

ステンレス張りの蔵を造る決断をしたことのすごいところがもう一つあります。それは清潔な施設なため、蔵付き酵母が存在できないという事です。ですが、酒造りには清潔が第一と考え、蔵付き酵母すら住めないぐらい清潔さを保っているのです。

 

<蔵人の為に、自分の経験から得た工夫>

現代表の寺岡洋司さんは蔵に戻った時に、杜氏と同じ部屋で寝泊まりをして、杜氏の元で酒造りや考え方を徹底的に叩き込まれました。杜氏は夜中に何回も起きて麹を見に行く作業があります。この時に隣でごそごそ動いている人がいたら、自分が寝る番でも気になって熟睡できません。その経験から平成に蔵を新築したときに、酒蔵では珍しくベッドのついた蔵人の個室をつけたのです。

 

 磯自慢の特別純米酒です。取り扱っているお店が少ないのもあり、お値段は少し高めですが、常識にとらわれず設備や信念、働く人の事を常に考えてきた、このお酒を一度味わってみてはいかがでしょうか?

 

 参考サイト

https://www.isojiman-sake.jp/

 

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