BAR こてっちゃん

お酒のエピソードは面白い!ウイスキーや日本酒などこてっちゃんが気に入ったお酒の話を交えながら紹介していくブログです

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【日本酒】波乱万丈!ロ万【福島・花泉酒造】

今回紹介するのはロ万です。

<ロ万の由来>

仕込みタンクに書いた「」と言う文字がロと万と言う文字に見えた時に、酒造りはロマンなんだと思ったのだそうです。そこから名付けたのが、このロ万という訳です。

 

<ロ万の面白い所>

面白いことにロ万は季節ごとに名前を変えて出荷されるお酒です。
例えば、7月に飲まれることを想定して6月に出荷される「七ロ万」や12月に出荷される初しぼりの「一ロ万」など色々とあるのです。

 

<星誠さんのエピソード~ロ万誕生秘話~>

さて、そんなロ万を造っている花泉酒造ですが、 一般的な家業で世襲して蔵元を継いでいくのではなく、あるいは跡取り娘と結婚したわけでもなく、現在の代表である星誠さんは平社員から経営者になったというのです。そこまでに至るには大変な道のりがあったのです。

 

花泉酒造との出会い 

星さんの行きたかった高校が母方の祖父が住んでいるところから近かったため、高校生からおじいさんとの二人暮らしを始めました。そのおじいさんの家から2,3分のところに花泉酒造があったのでした。

 

好きになった南郷地区で働きたい 

高校を卒業した後はお父さんの関連会社に勤める提案があったのですが、星さんは、安定した会社に勤めろという提案も受け、それにたいしての反発心もあったこと。高校3年間暮らした南郷地区が好きになってしまっていたこと。そしておじいさんをを1人見捨てていくことは人の道としてどうなのか?自分らしくないと思って南郷地区に残る決意をしたのです。
人としてどうなのか?かっこいいですね~

 

花泉酒造に入りたい!!

さて、こうして南郷地区に残る決断をした星さんは、おじいさんが昔、花泉で働いていたこと、日本の伝統産業で神秘的な魅力を感じていたことから、花泉に絶対に入りたいと思っていました。
ですが、住まいが近所だったことから、金髪ロン毛、学校をサボったりしていた星さんを知っていた経営者の人が、入社したいという噂を聞いて「あんなやつは当てにならない」といった言葉を人づてに聞いてしまい、花泉の入社を断念するのです。

 

努力は見ている人が必ずいる

しょうがないので二番目に興味のあった車の整備の仕事につき、4年の月日が経ちました。
住まいが近く時々一緒にお酒を飲んでいた現杜氏の斎藤明さんから、花泉酒蔵に来ないかと誘いがあったのです。夢だった花泉酒蔵へのお誘いです。
二つ返事で入りたいことを伝えると、今度は社長が星さんの家に来て、今の会社を辞めて花泉酒蔵に来てほしいと社長が直々に家まで来たのです。こうして、紆余曲折ありましたが、念願だった花泉酒蔵に入ることができたのでした。

 

その頃の花泉酒蔵の評判

星さんが入社した頃、花泉酒蔵のお酒は福島県内で人気があり、当時は幻のお酒と呼ばれるほどでした。 
なんと普通酒に3000円とか4000円のプレミアが付くほどの価格で売られていたのです。普通、日本酒は手間のかかる純米酒や吟醸酒でも多くの酒が、1500円前後の値段です。そこから考えるとその人気のすごさがわかりますね。

 

人気が災いに・・・

そんな大人気だった花泉ですが、経営者が小売業者に横流しする免許違反、地元の酒販店が他の酒販店に転売するようなことが横行してしまい、税務署や国税庁からのチェックが入り、出荷ができなくなります。社長は息子に社長を譲り、退陣するのですが、その新社長も会社に来なくなるのです。そして入社して2年目で配送や地元の営業のお手伝いをしていた星さんは酒屋さんたちに、「会社はどうなっているんだ!」と叱られて、横流ししたあなたたちも悪いんだと思いながらも会う度に頭を下げてを繰り返したのです。

 

若気の至り?真剣に考えていたからこその行動

こんな状態になったら皆さんはどういった行動を取りますか?

・その会社を辞める

・心を無にしてやり過ごす

まぁ、色々な対応があるかと思います。

 

星さんはなんと元社長の家に怒鳴り込みに行くのです。
星さんは星さんで今なんとかしなければならないと必死でだったのです。
元の社長は気性の荒い性質でクビにされることも覚悟の上だったのですが、元社長の答は「お前の気持ちはわかった。」「そこまで言うなら、テメエが社長をやってみろ!」だったのです。
売り言葉に買い言葉、星さんが返した言葉は「おう!やってやろうじゃねえか!


とはいえ、家に帰り冷静になると、経営者になるための知識もお金もなかった星さんは不安な気持ちで2日間を迎えました。そして3日目に元社長が会社にやってきて星さんに「星、1年待て。1年の間にいろいろ整理する。時期をみて株を買えばいい。俺がなんとかしてやる
星さんの会社への思いはちゃんと伝わっていたのですね。でも、元社長の男気もかっこいいです。
1年後、元の社長に呼び出され、書類にサインして株を購入して経営陣に入りました。こうして、下働きしかしてこなかった星さんが実質経営トップとなったのですが、一番若かったため肩書は部長としてのスタートとなりました。
この「若気の至り?真剣に考えていたからこその行動」でのカギかっこの部分は「日本酒ドラマチック進化と熱狂の時代(山同敦子)」から引用させていただきました。

 

最初に取り組んだこと

星さんがまず始めたことは従業員の意識改革でした。元は幻の酒と呼ばれるほど売れたお酒の会社です。中にはお酒を造れば普通に売れるという気持ちの従業員もいて、危機意識が低くなっていたのです。そこで、全員で会社を変えるを目標に、思い切った配置転換をしました。なんと後輩に対しての指導力を見込んで、整備会社に勤めていたころの尊敬している先輩を花泉酒造の工場長として迎え入れたのです。

 

正しいこととは何なのか?

それまで年功序列で昇進していくシステムだった会社です。星さんは酒の入ったコップを投げつけられたり反発が大きくあったのです。次第に何が正しいことなのかわからなくなていった星さんは、思い詰めていき、全員が敵に見えてきてしまい、ついには包丁の先を横腹に突き立ててしまう行動にも出てしまうのです。
本当につらかったのでしょうね。自分がこんな立場だったら逃げ出してしまうかもしれません。
ですが、自分を信じるしかないと考えなおし、自分が率先して行動し、徐々に社員の気持ちを掴んでいくのでした。そして、業績が好転していくようになるのです。

 

意識改革の次の一手

そんなある時、仙禽の記事でも運命の出会いとなったと書かせていただいた、廣木酒造本店の飛露喜に出会い、酒質のレベルの高さに衝撃を受けるのです。そして、今まで行ってきた社員の意識改革の次に品質改革を行うのです。しかし、花泉の個性にファンが多くあることも知っていました。そこで、花泉の味わいを守りつつ、洗練させていくことにします。

 

ついにロ万誕生!

花泉の味を洗練させつつも、新しいコンセプトで高品質の銘柄も提案したいと考えていました。そんな時に杜氏である斎藤明さんが、福島県独自の酵母である「うつくしま夢酵母」を使って試作品を造り始めるのです。こうして2006年にロ万が誕生したのでした。

 

最後に

この記事は「日本酒ドラマチック進化と熱狂の時代(山同敦子)」の本を大いに参考にしています。
このブログ記事はロ万ができるまでをピックアップして構成しておりますが、正直な話、「日本酒ドラマチック進化と熱狂の時代」を是非とも読んでいただきたいです。こてっちゃんは最後に思わず泣いてしまいました。努力が報われるっていうのはこういう事を言うのだと思います。

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参考サイト

hanaizumi.ne.jp/

 

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