【クラフトビール】複雑な味が絶妙なバランスで成り立っているビール！わびさびジャパンエール【静岡・エール】

今回紹介するのは「わびさび　ジャパンエール」です。

このビールは静岡県にあるベアードブルーイングで造られるクラフトビールなのですが、とてつもない計画力と忍耐力があって成功への道を手にしたエピソードがありました。

＜夢の始まり＞

ブライアン・ベアードとさゆりベアード夫妻の夢は、１９９７年に東京での仕事を辞めてビール醸造を学びに行くところから始まります。アメリカ北西部のカリフォルニア州にある醸造学校で学び、ブルワリーで修業、それだけに留まらず、専門書や文献を読みあさり、様々なブルワリーを尋ねてはオーナーブルワーに質問をぶつけながらの約２年間でした。
この２年間が夫であるブライアン・ベアードさんの「自分の目指すビール造り」を確立させたのでした。

＜現れぬ理解者＞

２０００年に沼津市にブルーパブを開店し醸造を開始しますが、「スタッフだけでお客のいないお店」とホームページにも書いてあるほどの状況でした。たまにお客さんが来ても「ぬるい」「炭酸が抜けている」といわれてしまい中々、ベアードビールの理解者は現れませんでした。

＜日本人のビールに対するイメージ＞

皆さんはビールといったらどういったイメージを持ちますか？

多くのお方が、冷たくキンキンに冷えたものを想像するのではないでしょうか？

実は日本人が慣れ親しんでいるビールはラガービールと呼ばれるものでブライアンさんが造っているのはエールタイプのビールなのです。手を加えるほどに個性が失われてしまうというブライアンさんの考えがあり、原材料をできるだけ加工せずにフレーバーを楽しめるビール造りをしていたのです。そのため、無濾過で自然発酵をしているベアードビールは、キンキンに冷えたものが適温ではなく、日本人には馴染みがなかったため、こういったことを言われてしまう日々が続いたのでした。

＜初心に返ることの大切さ＞

味には自信があったベアードさんですが、理解者が中々現れず、自分が目指している道は本当に正しいのかと何度も何度も自問します。自問を繰り返し、彼が選んだ道は（あえて答とは言いません）「クラフトビールの底知れぬ魅力を伝えたい」というベアードビールを造り始めた時の熱い思いだったのです。

そして地道に、辛抱強く自分のビールを知ってもらうことを続けるのです。

ようやくベアードビールのファンが現れはじめて、自分の道はこれであっているのだととやっと確信することができたのでした。

＜自信を持つと上手くいく＞

自信を持ってビール造りに励むブライアンさんですが、徐々に口コミが広がり、東京の業務店からも御しの引き合いの話が来はじめるのです。そしてようやく２００５年に軌道に乗りはじめたのです。５年間の歳月をお客があまりいない中、ビール造りを続けて来ることは並大抵の忍耐力では難しいかったことでしょう。成功というのは信じ続けることができた人だけが見れるものなのかもしれません。
そして２０１０年には「ワールドビアカップ」で３銘柄が金賞受賞という快挙を成し遂げるのです。

＜緻密な計画、そして積極的な行動力！＞

実はベアードさんは企業前に１年掛かりで１００ページを超える１０年、２０年後を見据えた未来の予定が、こと細やかに記された事業計画書を作り上げているのです。彼は２０１４年に新ブルワリーであるベアードブルワリーガーデン修繕寺が誕生するのですが、彼の計画では４年遅れてしまったと言っているのだそうです。そこまで見据えての計画書を作るなんて、中々真似できることではないですね。
先を見据えて計画を立てることもそうですが、実際に一歩一歩実現するために行動し続けたその精神力には頭が下がります。

＜わびさびジャパン誕生エピソード＞

彼は「個性」「複雑さ」「バランス」を重要視したビール造りをしているのですが、バランスという感覚は日本で学んだのだそうです。
なぜ、バランスが大切なのかというと理想は複雑な味わいのビールで飲めば飲むほど発見があるビールを造りたいのだそうです。その複雑さをまとめるためには絶妙なバランスがないと達成できないのです。
ちなみにそれが顕著に表れているビールがわびさびジャパンエールなのです。