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お酒のエピソードは面白い!ウイスキーや日本酒などこてっちゃんが気に入ったお酒の話を交えながら紹介していくブログです

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【日本酒】日本酒嫌いすら魅了する酒!飛露喜【福島・廣木酒造】

今回紹介するのは飛露喜です。

 

 

30歳で社長は造り酒屋では異例なことです。なぜならば、酒蔵免許を取得するには大量の酒を作ること、広い敷地や多くの設備が必要だからです。だから、代々家長が世襲制で受け継いで行っている蔵元が多いのですね。
そんな中、廣木健司さんは望まなくして30歳で社長と杜氏を兼任することになってしまったのです。

 

<飛露喜 誕生のエピソード>

個性の違いの奥深さ

大学を卒業してからは酒メーカーに就職し、営業で色々回っているとワインの産地や畑ごとの味わいの違いを知って、その奥深さから魅力にはまってしまうのでした。その反面、日本酒は銘柄ごとの味の違いをワインほど感じず、特に美味しいとも思っていなかったのだとか

翻弄される運命

さて、実は蔵に戻りたくなかった廣木さんですが、造り酒屋に生まれた運命を受け入れ2年程はやるだけやってみようと決心するのです。そして、酒造に未来がないのであれば自分の代で幕引きにしよう。そうやって決心して実家に戻ったのです。
廣木さんは営業を担当して5年が経った頃には年々製造石数が減っている中、高齢のために杜氏が去っていってしまいます。酒造業も潮時かと考え始めていたところに、翌年に翌年に当時社長であったお父さんが亡くなられてしまうです。
これほどの、どん底状態がありますでしょうか?父はいない、杜氏はいない、酒も売れない。そんな大変な状況に追い込まれてしまったのです

 

見せたかった父の背中

そんな時にNHKから小さな蔵で酒造りを頑張っているところを紹介したいと依頼が来ます。廣木さんは当初、こんなみじめな状態を放送されるのはつらいなと、取材を断ろうとしたのだそうです。でも、その時に考えたのが1歳の息子が物心ついたときには蔵は廃業しているだろう。それなら、自分が父親として酒造りを頑張っている姿を映像として残しておきたい。という思いから受けることにしたのでした。
結果的に、これが転機になったのでした。

 

 細い糸が繋いだ出会い

この放送を見たとある焼き鳥店の店主が、このブログでも度々出てくる地酒に強い小山商店さんに、かわいそうな蔵があるからお店で取り扱ってあげたらどう?と連絡したのだそうです。小山商店の小山喜八さんのすごいところはその話を聞いて、廣木さんに連絡したのです。そして、とにかくお酒を造りましょう。廃業を考える前にできたお酒を持ってきてくださいと声をかけたのです。

 

気付かされた大切なこと

その話に喜んだ廣木さんは早速、大吟醸並みに手をかけた自信作である純米酒を持って行ったのです。そしてそこで小山さんに言われた言葉はなんと「薄っぺらいねぇ。こんな味では勝負できません。他にも似たようなお酒は沢山あるから、もっと廣木さんらしさを表現してみてください」と酷評されたのでした。
この時に、廣木さんが当初、日本酒を美味しいと思わなかった、個性を見つけられないお酒になっていることに気付いたのです。
さて、そんな厳しい言葉をかけながらも小山さんはお酒を買ってくれたのでした。
そして3カ月に1回新規でも購入してくれて、頑張れと励ましてくれたのでした。

 

好きな白ワインからのヒント

味の薄いと酷評されて、思い出したのは廣木さんの大好きな白ワインの「シャブリ・レ・クロ」の味でした。シャブリといっても沢山の種類があります。そこでシャブリ・レ・クロが高いこと。この値段の違いはどこから来るのかを知るために安いシャブリと飲み比べてみるのです。そしてわかったことが、味に厚みや緻密さの違いがある事だったのです。

 

個性を出すために

もう一つの課題である廣木さんらしいお酒というテーマは米の豊かな味を酒に移し込み出来立てのフレッシュさを瓶にそのまま詰め込むことでした。そのために、時間をかけて麹をつくること、そして時間をかけてゆっくりもろみを育てることで味の強い、しっかりした味わいの日本酒を造り上げたのです。

 

 様々な人の温かさに触れて飛露喜が誕生

このお酒を小山商店さんに送ると、小山さんは一口飲んですぐに電話をしたのだそうです。そして、この味を待っていたのですよと電話に向かって叫んだのでした。
実は、小山商店さんでは、お店が主催でお客さんを集めた唎き酒会を行っているのですが、この日本酒が唎き酒会で並みいる強豪の銘柄のあるにもかかわらずダントツトップの人気を集めたのでした。そう、このお酒が飛露喜なのです。
奇しくもその日は廣木さんのお父さんの命日だったというのだから、お父さんも廣木さんの努力を見守っていてくれたのかもしれません。

 

<飛露喜 名前の由来>

当初は泉川という名前だったのですが、小山さんから名前を変えたほうがいいと言われ、命名されたのが飛露喜でした。廣木と同じ音で、露が酒を表し、酒が「飛」翔する「喜」びという意味です。まさに廃業寸前のどん底から造り上げてきたお酒にまさにぴったりの名前ですね。

 

<日本酒嫌いすら魅了するエピソード>

このお酒を飲んだ人はというこの味に魅了されている方が多くいます。愛と情熱の日本酒という本で紹介されている話では、日本酒が嫌いな女性がお酒に対するイメージが変わった。今まで飲んできた日本酒とは違う。と言って喜んだのだそうです。

また
・【日本酒】ソムリエからの日本酒造り!仙禽【群馬・株式会社せんきん】
の記事でも紹介した仙禽を造っている11代目の薄井一樹さんは元ソムリエで日本酒は当初好きではなかったのです。
ですが、この飛露喜を飲んで日本酒の美味しさに気づき、蔵元に戻っていくのでした。

それだけではありません。
・【日本酒】波乱万丈!ロ万【福島・花泉酒造】
 でも紹介したロ万を生み出した星誠さんはこの飛露喜の味に衝撃を受けて品質改革を行うのです。

 

 

 様々な運命が折り重なって誕生した日本酒であり、このお酒によって人生が変わった人も多くいます。日本酒が苦手な方も一度飲んでみてください。

 

 

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