今回紹介する日本酒は相模灘です。
現在の社長である久保田晃さんは、京都市立芸術大学で日本画を勉強していました。そんな芸術を学んできた人がつくるお酒は「米の旨味を生かしたバランスのいい食中酒」なのです。
<久保田酒造の土地柄にまつわるエピソード>
とても綺麗な水
久保田酒造は相模原市緑区の山間にひっそりと建っています。蔵の上流の家では、未だに井戸水を使って生活をしているほど水が綺麗で豊富な場所なのです。久保田酒造さんはそのきれいな湧水を無加工で使用して酒造りを行っているのです。
裏の裏は表
地盤が固く米作には向かない土地柄なことから、神奈川県の米でなく、外から仕入れた米を使っている。神奈川県は、県の米は少量で、県の酵母もない。これは一見デメリットにも見えますが、裏を返すと米や酵母を自由に選べるという利点でもあるのです。
<相模灘のエピソード>
相模灘に適した米は・・・?
久保田さんが、そんな環境で注目した酒米は美山錦でした。元々は新潟の五百万石を使った酒造りをしていた久保田酒造さんですが、硬水とは相性が悪かったようで苦みや渋みが出てしまっていたのです。「自慢の水にあった酒米はなんだろう」という考えから、質の柔らかい美山錦を仕込んでみたら上手くいったのです。
現在では美山錦を中心に、雄町、山田錦、北海道の吟風も使って日本酒造りをしています。
米の種類より大切なこと
久保田酒造さんは「日本酒の味は仕込み水に溶けた米の味である」といっています。つまり、原料処理の最大の目的は最も美味しい溶け方をする蒸米といっているのです。そのことからも原料処理は酒造りで最も重要な工程との考えのもと日本酒造りを行っているのです。また、原料米の処理が想定と違ってしまうと、後で調整も難しい。以上の理由から米の種類よりも米の洗いと蒸しを重要視しています。だからこそ、処理はすべて手作業で行い、うまくいった米のみを麹米として利用しているのです。
芸術から学んだ酒づくり
絵を描くこともそうですが、酒造りもまず最初にどんなお酒にするかイメージするところから始まります。そして最初のイメージに近づけるために何をするかを日々追求することで日本酒の完成度も上がっていくのです。
こちらは「相模灘 特別純米酒 辛口」です。久保田酒造さんは、この相模灘を料理との相性が幅広い万能タイプの日本酒であると評価しています。冷酒から燗酒まで幅広い楽しみ方ができる日本酒なので、一度味わってみてはいかがでしょうか?
参考サイト
下記のブログランキングに参加中です。 もし良かったらバナーをクリックしていただけると嬉しいです
その他のお酒ランキング
にほんブログ村