2020年 5月13日 改定
今回紹介するウイスキーはトバモリーです。
トバモリー蒸留所はスコットランドのマル島という場所にあって最近、蒸留所での生産が再開されました。
<聖コロンバのエピソード>
マル島の西にはアイオナ島という島があって、ここにはかつてスコットランドにキリスト教をもたらした聖コロンバ一行が最初に上陸した島です。その島からハイランド各地に布教を始めたのですが、その時にネス湖であのネッシーを見かけて祈りで鎮めたという話があります。これが文献に登場したネッシーの最初の記録とされているのです。
まさか、ウイスキーを調べていて、ネッシーの最初の記録を知ることになるとは、まったく思いませんでした(笑)
ちなみにアイオナ島に行くにはこのマル島を通らないといけません。そしてウイスキーのロールスロイスで有名なマッカランの言葉の意味には聖コロンバの丘という意味があるという説があるのも面白いです。
<トバモリーとは>
トバモリーの意味はゲール語で「メアリーの井戸」の意味で、古代に聖母マリアにささげられていた井戸のことを指しています。
蒸留所はマル島の中心地にあってトバモリー漁港に面して建てられています。
ちなみに、島唯一の蒸留所がこのトバモリー蒸留所なのです。
<トバモリー蒸留所のエピソード>
最古でありながら、休止と再開の連続
元々は1798年にビール醸造所として建てられました。それからまもなくウイスキーの蒸留所として生まれ変わります。スコットランドで最も古い蒸留所の一つではありますが、休止と再開を繰り返し、19世紀と20世紀のほとんどはトバモリーの生産は行われませんでした。
トバモリーの問題点
実はここのウイスキーにも問題があって、財政が悪かったため、粗悪なカスクが使われ、また一貫性のなさがトバモリーの評判を落としていました。
今のトバモリーになるまで
1993年にバーンスチュワートが買収したときに多くのウイスキーが標準以下の悪いものが見つかりました。そんなことからそれまでヴァテッド用に造られていた、トバモリーをマル島に適したシングルモルト向きのウイスキーに変えようとバーンスチュワートは投資を続けます。そしてマッシュタンは完全に入れ替えたといっても良いほどの多額の投資をして、やっとできたのが今のトバモリーなのです。
<レダイグ:もう一つのシングルモルト>
ちなみに、この蒸留所はトバモリーの他にレダイグというシングルモルトも造っているのですが、トバモリーがノンピートなのに対して、このレダイグはスモーキーな仕上がりになっているのが特徴です。
さて、この蒸留所ですが上の記事でも書きましたが、休止と再開を繰り返してきた蒸留所です。財政困難のために、貯蔵用倉庫をアパートに改造して売ってしまったために熟成場所はブナハーブンで行われているのです。そのため、レダイグとトバモリーは期間をずらして交互に造られる工夫がされているのです。
このネッシーとも関係のある?トバモリーを見かけたら手に取ってみてください。
参考サイト
マル島―トバモリーとレダイグを知る | WHISKY Magazine Japan
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