今回紹介するのは嘉美心です。
嘉美心酒造があるのは、寄島町という人口7000人の小さな町です。
ですが、実はこの街は備中杜氏の出身町であり、昭和40年代には杜氏だけで100人以上蔵人も入れると1000人もの実に7人に一人が酒造りに関わっていた町なのです。
その町で、地元シェア率90%を誇るお酒が嘉美心で一切の宣伝を排し、大量生産や全国展開には目もくれず一貫して甘口酒を造り続けているというなんとも頑固な蔵なのです。
<頑固な酒造りのエピソード>
・味へのこだわり
嘉美心酒造では甘口ではなく米旨口(ちなみに旨口とは甘さは感じないものの、うまみ成分が多く辛みも感じない味の事です)と呼んでいるそうで、終戦後に米不足から三増酒ばかりになった時も、お米をふんだんに使って三増酒とはちがう米の甘さを生かしたお酒を造っていました。この姿勢は辛口が主流にも変わっていません。
日本酒のおいしさは米本来の甘味にあると思うからという理由と、今は似通った味が多く、日本に一つくらい甘口一筋の蔵があってもいいじゃないかという考えの元、甘口にこだわっているのです。
・造り方のこだわり
米をふんだんに使うことで米に対してとれる酒は少ないですが米が凝縮したお酒になります。また、造りの温度は4℃、貯蔵は真夏でも15℃以下という徹底した冷房管理で、なんと!まだ事務所にも冷房がなかったころに蔵を丸ごと冷房にしたのだそうです。
・建物のこだわり
蔵も昔ながらの造り方なのかと思うと、実は違って蔵は近代的な造りとなっています。というのも、昔に比べて空気が汚れてしまっていることから、蔵内の空気をダクトを通して殺菌済みの空気にしているのだそうです。
あくまでも大量生産のために機械化をしているのではなく、味にこだわるために機械を使っているのです。もちろんほとんどの作業は手作りをしています。
機械化っていうと何となく手作りの方が美味しそうに感じますが、上手に機械を使うことで人だけでは成しえないことも取り入れることができるだなと感じました。
「私たちはお酒を作ることではメーカーですが、生きる上では消費者です。 だから家族の口に入れさせたくないものは作りません」という誓いを誇りに思い、守り続けているからこそ、こだわり続けることができるのかもしれませんね。
参考サイト
https://sake-labo.com/a01-05-002.html
http://www.kamikokoro.co.jp/index.html
嘉美心 純米酒720ml
嘉美心 備中流 純米吟醸 720ml
嘉美心 純米吟醸 生720ml
3種類のお酒を紹介してみました。こだわりぬいて造られたお酒なのでぜひ一度堪能してみてください。
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