今回紹介するのは醸し人九平次です
このお酒はフランスでも評価されていて三ツ星レストランでも出されているお酒なのです。
<久野九平治さんにまつわるエピソード>
醸し人九平治の生みの親である久野九平治さんの経歴が中々面白いです。
実はこの方は若いころは家業を継ぐことに対して反抗心を持っていて、高校を卒業してからは東京に出て役者になったのです。しかし役者として修業をしていくと、自分をコントロールして、本当の自分とは違う人物を演じていると、「自分はどこから来てどこへ行くのだろう」という疑問が湧いてきたのだそうです。そして自分の原点として確固たる拠り所を持っていないとだめだと気づいたと言います。そんな時に、ご両親が入院したことを聞き、芝居は年を取ってからもできると自分の原点と向き合うことに決め26歳で蔵人になることを決めました。
『自分にできることとはなんなのか?』
九平治さんが蔵に戻った時の萬乗醸造は大手メーカーの下請けで酒造りをすることでなんとか、食いつないでいる状態だったそうです。そして他人の物ではなく、自分の酒を造りたいという思いが湧いてきたのだそうです。しかし、酒造りの経験がない九平治さんは、自社銘柄のお酒を持って酒販店を巡ることにします。そんな時に大手メーカーの10年のキャリアを持った営業マンと会話を交わすことになったのです。
『大きく変えた出来事』
この人物ですが、酒造りにはあまり詳しくなく、売れるために大切なことは容器とか宣伝が大事という考え方の人物でした。それを聞いた九平治さんは自分も酒造りを知らないことから、日本酒自身の魅力で売ることができていない。この人は今の自分と同じだと感じたんだそうです。このまま酒造りを知らずに売り歩いていたら、この人と同じ日本酒の外側だけで売る人間になってしまうと考え、真剣に酒造りに取り組み始じめたのです。この出会いは九平治さんの中で自分の足りないことに気づかせてくれた大事な出会いだったのだそうです。
『うまい酒を造るために』
まずは、ビジネスパートナーに高校三年間同じクラスで、トヨタの下請け会社で技術職をしていた親友を引き込みます。しかし、その方はそれまで日本酒を一度しか飲んだことのない人物でした。二人は杜氏のもとで酒造りを学びます。酒造りを学んでいる傍らうまい酒の基準を自分たち自身の中に造りたいと考え、有名な銘柄をかたっぱしから飲んだのだそうです。 そうして気付いた目指したい味は酸味と甘味のバランスが良くフルーティーなものと決め温度管理の徹底にこだわり、完成したお酒が醸し人九平治なのです。
『九平治さんの行動力』
なんと!フランスまで単身で営業に行き、三ツ星ホテルに置いてもらうことに成功しています。そしてフランスを回っているときに「あなたは、大きな会社じゃないでしょ?お酒から判るよ。なぜなら手造りの味がするよ。」という言葉をかけてもらったのだそうです。美味しいものに言葉はいらない、そういうことかもしれません。
自分の考えをしっかり探し、その考えからブレなかったことで成功したお酒です。是非とも一度飲んでいただきたいです。
参考サイト
http://kuheiji.co.jp/index.html
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