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お酒のエピソードは面白い!ウイスキーや日本酒などこてっちゃんが気に入ったお酒の話を交えながら紹介していくブログです

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【日本酒】米作りにこだわった神奈川の日本酒!いづみ橋【神奈川・泉橋酒造】

今回紹介する日本酒はいづみ橋です。

 

 

<いづみ橋とは>

いづみ橋には、冬限定の雪だるまのラベル、雫ラベル、夏限定の夏ヤゴのラベル、秋限定の秋とんぼのラベルなど、季節限定のお酒に自然に関係した可愛らしいラベルが付けられていることが多い日本酒です。通年商品もとんぼのラベルがついているものが多く米づくりにこだわった、神奈川県海老名市で造られている生もと造りが多い日本酒なのです。

こてっちゃんは、昆虫が大好き少年時代を過ごしました。とんぼの幼虫であるヤゴが夏ごろ成長しきってとんぼに羽化していくのですが、泉橋酒造さんが夏のラベルにヤゴ、秋のラベルにとんぼにしているのがとんぼの成長に合わせているようで感じています。

 

<いづみ橋 ラベルに込められた想い>

ラベルには赤とんぼが描かれています。これには減農薬栽培を行っていることへの誇りが込められているのと、秋の空に赤とんぼが飛び交う故郷の風景をイメージして、そして自然への感謝の念が込められているのです。

 

いづみ橋の由来>

創業は1857年。海老名の地にかつては泉川という川が流れていたこと。蔵元が農業を営んでいて屋号が橋場だったこと。そこからいづみ橋が生まれました。

 

 <現在のいづみ橋ができるまでのエピソード>

橋場友一さんは6代目。橋場さんはいずれは家業を継ぐことを前提に就職活動をしたのです。普通は食品会社や酒類メーカーに就職する人が多い中、橋場さんが就職したのは大手証券会社だったのです。

 

自分の米で酒を造りたい

橋場友一さんが実家に戻ったのは阪神淡路大震災がきっかけでした。夏子の酒を見て酒造りは米作りからできるというのが頭にあったこと。
食糧管理法の廃止により農家が自由に作物を販売できるようになったこともあり、自分の米で酒造りやすくなったことが大きかったようです。

 

自分の米で酒造りをしたいと考えた理由

神奈川は酒どころのイメージがないし、観光地でもないから人が来ない。そこで特徴をだすために考えたのが、米作りから始めることでした。元々、泉橋酒造普通酒を主力とする酒蔵だったので普通酒蔵から脱却して、純米酒に戻していこうという方針を立てたのです。とはいえ、普通酒を減らすのは簡単なことではありませんでした。造る人、売る人、酒販店、飲食店すべてを変えなければ成功しないのです。

 

まず、始めたことは 

橋場さんは、1995年にウィンドウズ95でホームページを作り、「自分たちでお米を作って、そのお米で酒を造ろう」という企画を考えました。ホームページに掲載したところ、70名の参加があるほど好評で反響があったのだそうです。今でこそ各企業がホームページを持つのは当たり前になりましたが、1995年はまだパソコンがそんなに普及していなかった時代です。その時代にホームページを立ち上げて、企画の参加者募集を行うことができたというのは、先見の明があったのでしょうね。

 

衝撃をうけたワイン造り

横浜君嶋屋というお酒の専門店が横浜にあるのですが、その横浜君嶋屋さんはワインの買い付けにフランスまで行っているのです。そこに橋場さんも同行させてもらったのですが、その時に衝撃を受けたのがフランスでのブドウ畑の案内だったそうです。ワイン造りはブドウから造られ、畑ごとに造られるワインで値段が違ったりもします。そのこだわり様に橋場さんも衝撃を受けて「やはり酒造りは、農業から始めよう」と心強く思ったのです。

 

泉橋酒造が米作りに力を入れた結果

山田錦を生産している県は日本で34県ありますが、神奈川は日本の中で30番目の生産量です。でも、その生産量のほとんどが泉橋酒造の田んぼと契約している農家さんで生産しているというのです。これってすごいことですよね。中々できることではないということ。どれだけ酒米づくりが浸透していないかがわかりますね。
ですが、それでも生産量には限界が来るのです。お米の生産量に限界が来ると日本酒の生産量にも限界が来ます。

 

泉橋酒造が考えた次の一手

山田錦は10月半ばにならないと収穫できない酒米です。そこで9月の下旬に収穫できる楽風舞という酒米を造る取り組みを広げていくことにするのです。こうすることで、酒米の生産量を増やし日本酒の生産量を増やしていくのです。

 

そして達成した偉業

さて、そういったことを、コツコツ進め続け、酒米栽培開始から10年たった2016年に泉橋酒造はついに全量純米化を達成するのです。そして収穫した玄米を自社で精米して原料にしての一貫生産も実現します。

 

成功はコツコツ続けること

実は、普通酒が中心だったころは1300石の生産量を誇っていたのですが、全量純米酒を達成した2006年には600石になってしまうのです。これは、仕込むタンクの量は同じでも普通酒はアルコールなど添加をするので、できるお酒の量に違いが出てしまうのですね。しかし、平成30年には純米酒の生産が1000石になり、生産量は普通酒の時よりも少ないが、純米酒の価格は高いため、売り上げは2倍を達成するのです。

この成功について、橋場さんは「コツコツやり続けたことが秘訣」と語ります。
「なんだ。そんなことか。」と思う方もいるかもしれませんが、10年以上もコツコツやり続けてきたのです。これをつらい時期も耐えながらやり続けたのですから本当にすごいことです。

 

田んぼごとにできるお米の違い

現在の泉橋酒造は、冬場は酒造り、夏場は農業を行っています。原料米の9割は自社の田んぼと契約農家の田んぼで収穫したお米にまでなりました。
田んぼもワインのブドウ畑のように一区画ごとに違いがでるのです。マニュアル通りと、丁寧に試行錯誤しながら管理してきた田んぼでは、できる米の良さに違いがでます。
泉橋酒造さんは、そうやって、コツコツと米作りを続けてきたことから、良い田んぼの見分けもつくようになり、その年の酒も予想できるまでになっているというのです。そんな酒造会社は中々ないですね。

 

長年続けてきたからこそできる日本酒造り

さて、良い田んぼの見分けがつくようになると、吟醸はあの田んぼの米で仕込もうという話も出てくるようになったのだとか。
そこで田んぼや生産者ごとに精米方法を変えてその米に合った日本酒造りができるようになるというわけです。

 

 

仮にこのお酒を飲んだら、赤とんぼが飛び交う故郷の風景を思い出し懐かしい気持ちになるかもしれません。神奈川県の日本酒の知名度も低いので、意外性があって、神奈川県のお土産として、日本酒好きに喜ばれるかもしれません。友人と子ども時代について語り合うのも適した日本酒です。

 

こちらは冬限定の雪だるまラベルの生酒しぼりたてのお酒です。
雪だるまのラベルが可愛いです。

 

 

こちらは夏限定の夏ヤゴラベルです。生もと純米の生原酒です。 

 

こちらは秋限定の秋とんぼのお酒です。ちなみに酒米は記事内にも出てきた楽風舞が使われています。

 

 こちらは「いづみ橋 とんぼ スパークリング」という発泡日本酒です。
250mlで飲み切りやすいタイプでお試しにもいいです。

 

参考サイト

https://izumibashi.com/

 

 

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