2020年 5月10日 改定
今回紹介する日本酒は来福です
この日本酒を造っている来福酒造さんは花酵母を使って日本酒を造っている面白い蔵なのです。
<来福の意味>
来福の意味は「福や来む 笑う上戸の 門の松」という俳句が由来となっています。この俳句の通り、「来福を飲んだ人に福が来るように」という願いが込められて名づけられた日本酒なのです。
<来福のエピソード>
普通酒が売れたの茨城の土地柄
この来福酒造の創業は1716年です。花酵母を取り入れるようになったのは現在の代表取締役である藤村俊文さんが日本酒を造るようになってからの話です。
それまでの来福酒造さんは普通酒をメインに売っている酒造会社さんでした。というのも、来福酒造さんの日本酒は地元消費で、茨城の農家さんの晩酌や、また茨城県では昔からお葬式の時に大量のお酒を飲む風習があったことから、普通酒が売れていたのです。当時作っていた量は2500石くらいだったというのですから、本当にすごいことです。
当時の来福酒造が造る日本酒の評価
さて、藤村俊文さんですが、東京農業大学の醸造科で勉強をしていたのですが、学生時代の仲間たちには酒蔵の跡取りの方も沢山いたのです。そんな中、日本酒を持ち寄って飲んだ時に、来福酒造の日本酒は評判が良くなかったのだそうです。
来福酒造に足りないものは?
そんな中、藤村さんが来福酒造に戻るのですが、その頃は普通酒は売れなくなってきていて、うまい酒を造らなければならない時代に移り変わってきました。
しかし、当時の来福酒造さんの日本酒造りは、丁寧に仕込みをするということが出来ていなかったことから、酒に香りがでず、吟醸酒おいしい吟醸酒が造れなかったのだそうです。
ラベルにまつわる面白いエピソード
さて少し脱線しますが、藤村さんはラベルにお金をかけることも大切と考えていましたが、先代であるお父様は「どうせ売れないのだからラベルに金をかけるな」という考えだったそうです。
そんな中で新しいラベルを作りたいと提案するのですが、返答は「今残っているラベルがなくなったら」とのことだったそうです。
でも、残っている在庫は売れなかったのです。つまりラベルも減りません。
さて、そんな時皆さんはどうされるでしょうか?
ちなみに、藤村さんは勝手にラベルを燃やしたのだそうです(笑)
ピンチはチャンス
そんな中、当時杜氏を務めていた方が、高齢のため引退したいという話が出たのだそうです。さて、今後の酒造りをどうしたものかと考えた藤村さんですが、今後は外からの杜氏に頼らずに自分達で日本酒を造る時代が来ると感じていたのです。そして、普通酒から特定名称酒の割合を少しずつ増やしていきたいと考えていました。
そういった理由から、日本酒の造り方を知っているのは藤村さんのみで、総勢6人の人たちによる見よう見まねの酒造りが始まりました。
<花酵母での酒造りのエピソード>
そんな中、藤村さんは母校である東京農業大学に花から取れる酵母の花酵母があることを知るのです。そして、花酵母に出会い、花酵母と酒米を掛け合わせると、どんなお酒ができるかに興味を持つのです。
そこからは1種類の花酵母に対して12種類の酒米を使い同じ状態で醸造し米の違いによる味わいの違いを確かめました。現在の花酵母の種類は14種でそれを様々なお米で試すのだから途方もない労力でしょう。
現在もそれに加えて、山廃仕込みや精米歩合を変えての研究も進めて、ベストマッチを探しているというのだから、この先のお酒も楽しみな蔵の一つです。ちなみに2020年現在、この蔵ではナデシコ、ツルバラ、日々草、ベゴニアなどを主力として、8種類の花酵母を使っての酒造造りを行っています。
この花酵母を使っているお酒は来福という名前もそうですが、花言葉の意味と掛け合わせるなどプレゼントにもいい日本酒です。
この来福はアベリアという花の酵母が使われています。花言葉は謙譲です。敬意を表している方へのプレゼントにいかがでしょうか?
こちらの来福はベゴニアの花酵母が使われています。花言葉は愛の告白でバナナ系の香りが特徴となっています。思いを告げたい相手にプレゼントするのもありかもしれません。お値段もかなりお手頃です。
これを見た時はかなりびっくりしました。精米歩合はなんと7%なのです。お値段は高くなりますが究極の大吟醸と言えるのではないでしょうか。
参考サイト
http://www.raifuku.co.jp/index.html
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